編集部のオススメ記事

2026.07.24

第1回 「オレってナイス音楽祭」(2026年7月号中区・西区版)

第1回 「オレってナイス音楽祭」(2026年7月号中区・西区版)

気兼ねなく音楽を楽しもう!

 障害もひとつの個性として受け入れられる社会をつくりたい。その思いから5年間毎朝ライブ配信を続けてきた障害者支援団体ジュンコフラサークル主宰小林順子さんの周りには、配信を通じて出会った仲間がいる。「家族より顔を合わせている時間が長いかもしれない」と笑い合う存在だ。
この秋、その仲間が全国から集い、第1回「オレってナイス音楽祭」を開催する。
きっかけのひとつは、最重度知的障害で自閉症の息子さんの存在。「音楽が大好きなのに、独特な行動から退席をお願いされることも。例えば、イヤーマフはメガネと同じ。脳を守るために必要なんです。目が悪い人に『メガネを外してください』とは言いませんよね」。

会場全体で創る心地よい共生空間

 共同主催者のハッピー先生は「演者は支援する人ではなく、一緒に音楽祭をつくるミュージシャン仲間。『どう応援したらいいか分からなかった』と言っていた人も、『これなら自分にもできる! やりたい!』と参加を決めてくれました」と話す。音楽が人をつなぎ、仲間が自然と手を取り合ったのだ。「私を含め演者はみな参加料として出資します。ライブハウス出演と同じなので抵抗がない。プロもアマも健常も障害も関係なく、皆でひとつのステージを完成させることに意義があるんです」。

音楽の力が心を繋ぐ一日

 「どうしても、障害者雇用支援月間と自殺予防月間の9月にやりたかったんです」と順子さん。会場探しでは4カ月かけて6カ所を回り同会場に決めた。本来任意団体は会場使用料の減免対象外なのだが、順子さんの熱意が行政に伝わり、障害者団体扱いで特例が認められた。
当日は障害者と付き添い118席を無料招待し、一般席102席を用意。「障害のある人もない人も、同じ空間で音楽を楽しんでほしい。ここで安心して過ごせたら、次は普通の音楽祭へ行ってみようと思えるかもしれない。音楽祭へ行くことは贅沢なことなんでしょうか? 楽しみや喜びがあるから、人は前を向いて生きられるのでは? 共に楽しみ、お互いを知る。その小さな積み重ねが、心のバリアフリーにつながると信じています」。
くしくも9月20日は順子さんががん治療を終えた日。寛解10年を迎える翌日、音楽祭が幕を開ける。