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2026.05.21
世界獅子舞大会日本大会(2026年5月号中区・西区版)

歴史を背負い、進化しか獅子舞
4月5日、横浜BUNTAIで日本初となる中華獅子舞の世界大会が開催された。春休み期間の開催には「子どもたちにこそ見てほしい」という主催者の思いが込められている。
獅子舞は6世紀に中国から伝わり、752年の大仏開眼供養をきっかけに全国へ広まった。開港地・横浜や神戸では独自に発展し、春節や地域行事などで親しまれてきた。近年は芸術性と技術の高さが評価され、競技としても進化。本大会では「伝統」と「ポール」の2部門で、日本を含む各国のチームが集結した。
チャーミングな命溢れる存在感
第一部「伝統」は、獅子が主役の“舞う物語”。川を渡ろうか迷うしぐさや、葉を落として首をかしげる様子に、会場からは思わず「かわいい」という声がもれる。足踏みや後ずさり、豪快なジャンプ、お尻やしっぽをプリプリと揺らすしぐさまで、一つひとつに感情が宿り、まるで本当に生きているかのようだ。「うちの犬みたい」と笑う声も聞かれ、会場はやわらかな空気に包まれた。
第二部「ポール」は一転、息をのむ迫力。高さ1〜3メートルの鉄柱の上で繰り広げられる演技に、観客は「わぁー」と声を上げる。落下の場面では国を超え「がんばれ!」と声援が飛び、会場は一体に。優勝したマレーシアチームは、軽やかに宙を舞うたびどよめきが起こる圧巻の演技で減点ゼロ。3位入賞を果たした日本チームには大きな拍手が送られた。
また日本で獅子舞(みんな)に会いたい
大会後の懇親会では、選手たちの素顔がのぞいた。マレーシアの選手は「10歳くらいから毎日練習してきた。チャーミングに見せるのも大事」と語る。引退を迎える台湾の選手は「これからはお酒も我慢しなくていいね」と笑顔を見せた。横浜の若手選手は「応援が日本語で届くからこそ、ちゃんとやらなきゃと思った。でも楽しかった」と振り返る。
大会関係者は「日本開催までに4年を要した。2年後もまた開催したい」と語った。
その日、会場にいた多くの人が感じたのは「すごい」だけではない。「伝統」で獅子舞が見せた、葛藤の末に得た喜び。「ポール」での躍動感。まるで生き物のような獅子舞に出会い、勇気や希望を胸にし、思わず笑みがこぼれる。そんな時間のあとに残ったのは「また会いたい」という気持ちだった。


