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2023.06.23

福祉ニーズの高いまち・寿町横浜市寿町健康福祉交流センター(2023年6月23日号中区・西区版)

福祉ニーズの高いまち・寿町横浜市寿町健康福祉交流センター(2023年6月23日号中区・西区版)

  令和元年、横浜市寿町健康福祉交流センターが竣工。社会情勢全体の変化により、寿地区は福祉ニーズの高い街へと変貌してきた。それに伴い、地域全体で充実した介護、支援体制をつくり上げた。それは他地域への参考になり得るものともなっている。横浜市寿町健康福祉交流協会・管理課長の結城安希生(ゆうきあきお)さん、横浜市健康福祉局生活支援課寿地区対策担当課長の小口秀明(こぐちひであき)さんにお話を伺った。

助け合いと生きがいづくりネットワークで支える

  寿地区は簡易宿泊所が約115軒密集している地域で、現在約5千400人が宿泊している。ほとんどの人が高齢者で独り住いである。また生活保護を受給している人が9割を超えている。昭和40年代には港湾地区の労働力として活躍していた人々が高齢化し、介護を必要とするようになり、その傾向が増加している。平成4年以降「労働者のまち」から「福祉ニーズの高いまち」へと変貌してきた。

 令和元年に横浜市寿町健康福祉交流センターが竣工した。旧労働福祉会館機能を拡充し、「福祉ニーズの高いまち」に相応しい施設となった。同センターは寿地区の保健医療の充実を図るとともに、住民の健康づくりや介護予防の取り組み、自立した生活を支援する。さらに住民の社会参加を促進し、地域外の人々との交流を深め、福祉の向上に寄与する施設である。

 同センターの3階から9階は80戸の市営住宅「スカイハイツ」となっている。1階は地域の住民が気軽に利用できるラウンジや図書コーナー、多目的室、調理室、作業室がある。2階には診療所、健康コーディネート室、一般公衆浴場、活動・交流スペースなどがある。健康コーディネート室には毎日70名から80名の人が自身の健康チェックに訪れるという。

 同センターの指定管理者である横浜市寿町健康福祉交流協会は、横浜市寿町生活館の指定管理者でもある。同館4階は路上生活をおくる人などの生活を支えている。シャワー室、洗濯室、娯楽室・集会室があり、誰でも自由に利用できるようになっている。また簡易宿泊所で暮らす独り住いの人々に対して、生活相談や生活支援などが行われている。各戸への声掛けをするなど見守り対策が充実している。

 このように寿地区の福祉ニーズへの取り組みや仕組みづくりは、他地域が抱える同様の問題解決に繋がり、今後の福祉介護社会へ向けてのモデルケースになっていくといえる。

【お問い合わせ】
横浜市寿町健康福祉交流センター ☎︎045(662)0503