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2025.12.10
救急救命士が呼びかける年末年始の注意ポイント(2025年12月号金沢版)

年末年始は救急が増える時期
年末年始は一年を通じて救急要請が急増する時期である。金沢消防署の救急救命士によると、冬の119番通報は感染症やヒートショックといった事案が増えると言う。年齢を問わず発熱や咳などの症状が多く、寒暖差による体調の変化に注意が必要だ。
家の中にも潜む危険
家庭内での事故によるケガも多く発生している。高齢者の室内での転倒、小さい子どもの誤飲ややけど、身近な場所でのケガが目立つ。「家の中にも危険が潜んでいます。子どもの目線で確認を」と救急救命士は話す。
もしもの時に備える3ステップ
いざという時、慌てないために手元に置いておきたいのが、横浜市消防局発行の「『あんしん救急』 知って予防! 救急車」。グリーンの表紙はシニア世代向け、ピンクの表紙は子育て世代向けで、「備える」「相談」「通報」の3ステップを紹介している。
ステップ1では、元気なうちに医療情報ネットなどを活用して、かかりつけ医や薬局の情報を整理。ステップ2は、急な病気やケガで救急車を呼ぶかどうか迷った時の相談窓口「#7119」。24時間年中無休で、必要に応じて119番へつないでもらえる。そしてステップ3にあたるのが「迷わず119」。意識の障害やけいれんが止まらない、のどに物が詰まった、事故や大量出血など“いつもと様子が違う”と感じたら、ためらわず通報を。それが命を救う第一歩になる。
家族で話し合い、日ごろから備えを
通報後、救急車が到着するまでに、飲んでいる薬や持病、過去の病気などを伝えられるようにしておきたい。特に高齢者の場合、家族の連絡先が分からないと、搬送先の決定まで時間がかかることもあると救急救命士は注意を促す。さらに令和7年10月1日から全国一斉開始した「マイナ救急」(マイナンバーカードを所有し、健康保険証として利用登録が必要)の活用も検討しておこう。救急隊に正確に情報を伝えることができるシステムだ。
また11月7日からは「♯7119」で提供している「救急緊急度の判定」、「医療機関の案内」などのサービスをLINEから利用できる(友だち登録必要)。もしもの時に慌てず行動できるよう、日ごろからの備えが大切だ。


