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2025.02.14
子どもの健やかな成長を願う風習つるし雛in龍華寺(2025年2月14日号金沢版)
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つるし雛の歴史は古く、江戸時代からとも言われている。裕福な武家や公家では豪華な雛人形を飾ることができたが、庶民には高価で手が届かず、布の端切れを使って人形や動物を手作りし、糸でつるして飾るようになった。そんな色とりどりなつるし雛見に出かけてみよう!
今年も龍華寺の地蔵堂で、大谷美邦子(おおたに みほこ)さんが製作した「つるし雛とお細工展」が行われる。今年で12回目を迎える。
大谷さんとつるし雛との出会いは16年前。旅行先でつるし雛のコンテストを見て感動し、パッチワークの経験を活かして作り始めた。すべての作品はひと針、ひと針に愛情と心を込めた手縫い。「振り返ると12年。本当に早かったと思います。まわりの方々にお力添えをいただき、感謝感謝です」と大谷さん。
千点以上の作品を作り、自宅に保管。その中でも特にお気に入りの作品は「ねずみの嫁入りです。小さなねずみに合わせて着物の柄合わせをし、着せるのが楽しかったです」と振り返る。
「1年に1度、本当にたくさんの方に見ていただき、心の支えになっています。展示を通し知り合いになった方の話を伺う事で、私も幸せな気持ちになれます」と、楽しい思い出を教えてくれた。「色々見ているけれど、この人のつるし雛が一番ね、とお友達に話しているのを耳にして、嬉しかったです」そして「赤を多く使っているので一見派手に思うけど、全体を見ると落ち着いていて美しい、と言っていただけたことも嬉しかった」とほほ笑む。
この時期は、龍華寺の熱海桜も開花。「毎年来て下さる方が、熱海桜やお花を見て、つるし雛を見て、春のひとときをゆっくり楽しんでいる様子を見るのも楽しいです。今年も皆様に会えることを楽しみにしています」と大谷さん。ぜひお出かけを!