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2024.09.25
横浜みなと博物館企画展 「横浜ベイブリッジ」と「鶴見つばさ橋」港を支える長大橋(2024年9月27日号中区西区版)
横浜ベイブリッジが1989(平成元)年の開通から35周年。鶴見つばさ橋が1994(平成6)年の開通から30周年を迎えることを記念し、ふたつの橋の歴史を振り返る初めての企画展が開催。写真・映像・模型など約300点の資料が展示される。
横浜港を代表する長大橋
全長860mの横浜ベイブリッジと全長1020mの鶴見つばさ橋は、横浜を代表する長大橋。首都高速湾岸線の一部として横浜港の物流を支えている。横浜港では1968(昭和43)年にコンテナ貨物の取り扱いが始まったが、貨物輸送のための道路が不足しており、市街地ではコンテナトレーラーによる渋滞が発生していた。横浜ベイブリッジや鶴見つばさ橋の開通により、こうした市街地の渋滞が解消され、横浜港から首都圏各地に短時間でアクセスできるようになった。
横浜ベイブリッジ誕生秘話
横浜ベイブリッジは横浜航路をまたぎ、本牧ふ頭と大黒ふ頭を結ぶ2層構造の斜張橋。1964(昭和39)年に建設が計画され、1980(昭和55)年に着工した。1969(昭和44)年、建設省に引き継がれた際には、沈埋トンネルとする案も検討された。建設期間は約8年に及び、1989(平成元)年9月27日に開通した。橋の下の地盤が軟弱であり、支持層となる土丹層(どたんそう)の掘削のため、横浜ベイブリッジの工事のために開発されたアーム式水中掘削機が用いられた。この掘削機で硬い土丹層を15メートル掘削し、基礎柱を着底させた。また、船舶の航行を妨げないよう部材は工場であらかじめ製作され、起重機船で現場まで運ばれた。
スムーズに建設が進んだ鶴見つばさ橋
一方の鶴見つばさ橋は、鶴見航路をまたぎ、大黒ふ頭と扇島を結ぶ1面吊りの斜張橋。1971(昭和46)年に建設に向けた調査が行われ、1987(昭和62)年に着工。建設期間は約7年。1994(平成6)年12月21日に開通した。横浜ベイブリッジと比べて架橋地点の地盤が良かったため、空気の圧力を利用して掘削し、ケーソンを沈下させるニューマチックケーソン工法で基礎が建設された。こちらも船舶の航行を妨げないよう部材を工場であらかじめ製作し、起重機船で現場まで運んだ。